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KPC通信

2021.03.22

NFTの仕組みあれこれと、市場の未来について

最近こんなニュースがちらほらと。

イーロン・マスク氏のNFT作品、オークションで1億円突破
https://www.coindeskjapan.com/102686/

ジャック・ドーシー氏、2006年の初ツイートをNFTに現在のオファーは250万ドル(約2億7,000万円)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2103/07/news016.html

NFTが話題です。

何事もチャレンジすることに意義がある、ということで、話題のNFTを出品したり、購入したりしてみました。出品の過程でいろいろと調べてわかったことも多かったので、備忘録もかねてまとめておこうかなと思います。
NFTってなんぞや?というところから、こんな可能性があるのでは、という部分も含めて書いてみようかな。答え合わせは1~2年後でしょうか…。


■NFTとは?

そもそもNFTとはなにか?NFTとは、「Nonfungible Tokens(非代替性トークン)」の略称です。暗号資産にも用いられているブロックチェーン技術を利用した資産のことです。

よくわからないですよね。

かなり大雑把にいうと、スマホで撮影した写真のように、いくらでもコピー可能なデジタルデータに、ナンバーのようなものをつけて、これが元データですよ、唯一無二ですよ、と証明できるようにしたものです。

この証明する技術にブロックチェーンを用いて改ざんできないようにしたことで、デジタルデータにも資産としての価値が備わり、NFTという、代替できない資産が生まれました。


■NFTって何の意味があるの?

それって何の意味があるの?って感じですが、例えばバスキアの絵画、ネットで検索すれば、写真で見ることもできますし、MoMAのサイトから複製のポスターを買うこともできます。しかしそれらと原画の価値には雲泥の差があります。見た目には大差ありませんが、価値は大きく異なります。その理由は、原画はバスキアが描いた唯一無二のものだからです。

この唯一無二、という部分に大きな価値が生まれます。

つまりデジタルデータであっても、ブロックチェーンの技術があれば、唯一無二が証明でき価値が生まれるぞ、となります。そして様々なデジタルデータが唯一無二性を持ち市場に投下されると、いわゆるデジタルデータの原画的なものを所有したい、と考える人が殺到し、市場はどんどん加熱していく感じです。多分。

と、いろいろ言葉で理解しても実のところ何かよくわからないので、実際にNFTを販売してみることにします。


■NFTを販売してみる

NFTの販売には、NFT専用のマーケットプレイスを使います。NFTの売買ができるプラットフォームで、NFT版のメルカリやヤフオクのようなものです。このプラットフォームはいくつかありますが、最も規模の大きい海外の「Opensea」を使うことにします。

と、この記事をまとめている最中、Opensea資金調達のニュースが。
https://jp.techcrunch.com/2021/03/19/2021-03-18-nft-marketplace-opensea-raises-23-million-from-a16z/

また、日本国内でもCoincheckがマーケットプレイスを展開、というニュースも出ていたので、日本でもこれから盛り上がっていきそうです。
https://corporate.coincheck.com/2021/03/18/136.html

出品方法の細かな手順は改めて別記事にまとめますが、これがなかなか面倒くさい。ひとつは海外サイトなので、表記がすべて英語なのと、決済が暗号通貨なので、暗号通貨のウォレットや取引所のアカウントが必要という点。

とはいえ、これも日本のマーケットプレイスが整備されれば、メルカリやヤフオクで取引するように、スムーズな売買が可能になりそうな気はしています。

というわけで↓こんな感じで出品しているので、興味がある人はご覧ください。
https://opensea.io/accounts/kobayasick


■NFTを購入してみる

Twitterを見ていると、日頃使っているLINEスタンプの画像がNFTで売りに出されていたので購入してみました。

出品の時も思いましたが、NFTは取り引きするときに、gas代という、NFT移行時に記録を残すための手数料(採掘者に支払う計算料)みたいなものがかかるんですね。このgas代は処理の優先度によって価格が変わるので、早くNFTを手に入れたいとか、スムーズな取り引きをしたい、と思うと高価格になってしまいます。今回取り引きに使用したETHは、常時処理数が多くなっているため、gas代を節約することが難しく、低価格のNFTを取り引きする際はネックになりそうです。

とはいえ、そもそも今のNFTの値段が適正なのか判断できないので、gas代もそこまで気になりませんが、価格が適正化されてくると、どの暗号通貨でやりとりできるかが売買に重要な気もします。

まだまだ不明瞭なことが多いのですが、新しい技術やマーケットは先行者利益があったりもするので、今のうちに試行錯誤してみて、お宝NFTを掘ってみるのも面白いかもしれません。


■NFTと税金

NFT市場はこれから拡がりそうですが、取り扱いで気をつけなければならないのが税金。NFTの売買による利益は仮想通貨などと同じで雑所得になるようです。
一般社団法人日本仮想通貨税務協会(JCTA)は、下記のように見解を示してます。

NFTそのものが独立して価値を有するものであって、その売買や交換により所得が生じた場合には原則として雑所得として課税されると考えられます。その場合、原則として売買や交換の都度、取引を認識する必要があります。
ただし実務上は、NFT同士の交換については交換時のNFTの時価の把握が困難であることも考えられます。合理的な労力を払うことによって交換時の時価が把握できない場合には、課税上弊害がない限り円貨や他の仮想通貨との交換時に取引を認識することも容認されるものと思われます。

正直まだこれだ!という税制が決まっていませんよ、という感じです。NFTの購入、販売時にかかる税金として考えられるのが、

①販売するために専用のウォレットに送金したとき
②NFTを出品して利益を得たとき
③購入したNFTを売却して利益を得たとき
あたりが課税の対象になりそうです。
ただ、暗号通貨の価格は日々変わるので、購入したとき、売却したタイミングで価格が異なるので、計算がめちゃめちゃ面倒なことになりそう。
超高額で売れたものなど、税金はどうなっているんだろう…。
税法もまだあやふやなので、とりあえずは購入時、売却時の暗号通貨の価格を記録しておくことが重要そうです。


■NFTのこれから

現在のNFTは、興味本位で買ったり、売ったりの投機目的がほとんどで、本当の価値があるとは思えないけれど(これはOpenSeaの商品を見ているとよくわかる…ひどい商品多い…)、NFTだからこそできるデジタルデータのあり方が見つかれば、本当の意味で価値を持ちそうな気がします。

真偽はわからないけど、バンクシーの事例などは興味深い。
https://jp.cointelegraph.com/news/i-can-t-believe-you-morons-actually-buy-this-shit-banksy-art-burned-and-tokenized

また、そもそもデジタルのIPとして価値が高いゲームキャラクターなどはNFTになることでグッと価値があがりそう。
あとは、過去に誰が所有していたか、でも価値が変わってきそうです。技術的なことはわかりませんが、有名人のサインやブランド品などにNFTを紐付けることができれば、本物の証明がぐっと簡単になりそうです。そうなると鑑定士みたいな人も必要なくなるのかな?なんでも鑑定団も色々変わりそうだな…?とか。


■まとめ

・NFT(非代替性トークン)っていう新しい価値観が流行りそう。
・NFTの売買は海外中心なのでちょっと面倒くさいけど、日本市場も盛り上がりそう。
・ゲームのアイテムやキャラクターは価値があがりそう。
・技術の本質を考えると新しい市場や、既存の市場の変化が読めるかも。
・新しい技術やサービスはとにかくチャレンジすることで、わかること、わからないことが明確になる。

以上。
まだまだ不明な点も多いので、もう少しいじって調べてみよう。

つづく。


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