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KPC通信

2021.02.22

「はじめてのプラモコンペで大賞を取ってしまった話」

デザインとイラストを担当しています、塩見晶です。

私の趣味はプラモデル作り。おもに飛行機を作っています。
プラモデル作りは男子が一度は通る道だと思いますが、オジサンになっても続
けている魅力はなんといっても「作るプロセスの楽しさ」でしょう。

1.ろうがんずに挑戦する

そんなプラモ作りを続けてきた、私のプラモ人生の中で起こった最も印象的なできごとについて今日は書いてみたいと思います。

2014年のある日、私はあるコンペに応募することにしました。
その名は「ろうがんず杯」。「ろうがんず」はプラモデル同好会の名称です。
「老眼になっても楽しくプラモデルを作ろう」という由来から名付けられたもので、代表は俳優の石坂浩二さんが務められています。

世の中には多くのプラモデルコンペがありますが、そのほとんどは「いかにリア
ルっぽい仕上がりか」「どのくらい細かく作り込まれているか」といった技術的なことが審査の基準になりがちです。
一方で、ろうがんず杯のコンペは「プラモデルの楽しさを、見た人に知ってもらうような作品作り」がテーマでした。
代表が石坂浩二さんという、知名度の高い方なのと、テーマが自分のプラモデルに対する思いと重なる部分が大きいコンペで、このコンペ、どうしても参加したい。その上、入賞できればなおよし!とメラメラ燃えておりました。

2.アイデアを出す

私は「目立つ作品にすること」を主眼に、制作にとりかかりました。このプラモデルは技術的なことはもちろんだけど、アイデアがもっとも大切だ!と思い、普通のプラモデル作品にはないアイデアは何だろう?と考え抜きました。

半年ほどかけて(半分以上はアイデア出しの時間でした)組み立てたり削ったり
塗ったりを繰り返し、発表したのがこちらの作品。
私がたどり着いたアイデアの核は、「意外な組み合わせ」でした。

このアイデアは、ある学校の文化祭に出かけたときに見かけた情景がヒントになりました。
「技術部」の発表会場で、生徒たちが作った鉄道模型や飛行機のプラモデルを飾り、遊びに来た子どもたちに模型の動かし方を説明したりしていたのです。技術部は部活動の中ではあまり華やかな方とはいえませんが、模型のまわりで動き回る部員たちはとても楽しそうでした。

空母「赤城」のプラモデルを学園祭の展示物に見立て、周囲に机やプラモデルの
箱を配置しました。部員は「艦隊これくしょん」というゲームに出てくる艦娘
「赤城」のコスプレをしている女子、という設定です。

3.大賞を取る!

会場には200近い力作が並び、技術、アイデアともに自分より優れている作品も
多くあったと思います。
そんな中、私の作品は、代表の石坂さんも注目してくださり「プラモデルの楽しさをまさに伝えている作品」というコメントとともに、大賞を受賞することができました!

雑誌にも取り上げてもらい、プロモデラー冥利につきるとても良い思い出となりました。

4.最後に

このコンペの出品を通して感じたのは、作品作りには、構想の元となるインプットと、形にするアウトプット、この2つをうまく結びつける力が必要だということ。
文化祭で技術部の生徒たちに出会わなければこの作品はありませんでしたし、プラモデル製作もある程度の技術が必要です。そして、この2つを結びつけるという発想が何よりも大切だったと思います。

これからも確かな技術で、見る人を楽しませる作品を作っていけるプラモデラーでありたいと思います。

おわり。

この記事を書いた人

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